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グロース上場2日目ispace、初値3.9倍254円→1,000円。時価総額204億円→804億円。月面探査、月へ荷物輸送サービスなど

グロース上場2日目ispace、初値3.9倍254円→1,000円。時価総額204億円→804億円。月面探査、月へ荷物輸送サービスなど

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12日に東証グロース市場へ新規株式を上場した月面探査や月への荷物輸送サービスなどを展開するispace<9348>は上場2日目となる13日、公開価格254円の3.9倍となる1,000円で初値をつけた。時価総額は公開時の204億2,700万円から804億2,100万円に拡大した。上場初日は取引開始から買いが膨らみ、カイ気配のまま取引が終了し、初値はつかなかった。最終気配値は公開価格の2.3倍となる585円だった。公開株数977,500株。株式上場による資金吸収額は70.5億円。調達資金はミッション2のロケット打上やランダーの製造費用、連結子会社への投融資などに充てる。

ispaceは月面探査車の開発、民間による月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」への参加を目指し、2010年に創業した。顧客の荷物を月まで輸送し、月面探査やデータ収集を行うペイロードサービスをはじめ、技術開発や事業開発で協業を行うパートナーシップ・プログラムの提供などを行う。

同社では打上ロケットの開発は行わず、打上プロバイダーと契約し、打上サービスを購買。顧客の荷物を自社で開発したランダー(宇宙機)やローバー(車両)に搭載し、打上ロケットによって宇宙空間の一定ポイントまで輸送される。ランダーとは、天体の表面に着陸し、静止することができる宇宙機。ローバーは地球外の天体の表面を移動し、観測するために使われる車両のこと。宇宙空間でロケットから分離されたランダーは、自力で宇宙空間を推進、月面に着陸。着陸後、ランダーから分離されたローバーが、月面を自走しながら探査活動や、デー タ収集などを行う。取得データはランダーを経由して地球に伝送される。

2022年12月11日、ペイロードサービスにおける月面探査プログラム「HAKUTO-R」のミッション1として、SpaceX社ファルコン9ロケットにより打上げられた。現在、2023年4月下旬頃の月面着陸を目指して月へ航行中だ。ミッション1に続く月面探査のミッション2は2024年を予定。月面でのミッション期間は太陽光エネルギーの獲得可能な、月の日中時間(約14日間)を計画している。基本的に1機のランダーによる1回の月着陸および月面探査のプロジ ェクトを「1ミッション」と定義し、ミッション単位での事業運営が行われる。

2022年のミッション1は、UAEのドバイ政府宇宙機関やJAXA、カナダの民間企業などとペイロードサービスを契約。全体で約12.43kgのペイロードを輸送する。2024年予定のミッション2では全体で10.5kgのペイロード輸送を計画。高砂熱学工業の月面用水電解装置やユーグレナの微細藻類培養装置などを輸送する。直近の業績は、2022年3月期(12期・連結)売上高 6億7,414.1万円、経常利益 △40億3,915.4万円、純利益 △40億5,989.6万円だった。2023年3月期業績予想は、売上高 9億8,400万円、経常利益 △112億8,700万円、純利益 △112億9,300万円見通し。

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